ウォッシャー液の交換はどうするの?自作でOK?選び方は?

そろそろ雨の多くなる時期ですが、意外と見落としている物にウォッシャー液があるのではないでしょうか?

特にガラスコーティングをしているクルマだと、雨の日にワイパーを動かしているだけで汚れが付かずついつい見落としがちです。

最近は道路状態もよく泥はねがフロントガラスにかかるという事も滅多にありませんが、いざフロントガラスに泥水がかかりウォッシャー液で洗い流そうにもウォッシャー液が出ないというのは避けたいものです。

また、フロントガラスにこびりついた汚れをウォッシャー液無しで無理にワイパーで拭きとろうとするとガラスを傷つける恐れもあります。

また、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示225条3項1号には以下のように記されています。

洗浄液噴射装置にあっては、前面ガラスの外側が汚染された場合において、前面ガラスの直前の視界を確保するのに十分な洗浄液を噴射するものであること。この場合 において、洗浄液を噴射させた場合に洗浄液が窓ふき器の払しょく範囲内にあたるものは、この基準に適合するものとする。

引用元:国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示225条3項1号」

ウォッシャーの動作はもちろん、ウォッシャー液が空の状態は整備不良とみなされると言っても良いでしょう。

以前にバッテリーのチェックや交換の方法についてお伝えしたことがありますが、ウォッシャータンクのチェックや補充はもっと簡単です

エンジン回りはほとんど素人が手を入れる余地がなくなったといわれて久しい、今時のクルマですがウォッシャータンクだけは「これでもか」というくらいわかりやすい所にあります。

できることはDIYで済ませてリーズナブルにクルマを維持するというのをゼロからの知識で始めるにあたってはウォッシャー液の補充から始めるのがうってつけかもしれません。

ウォッシャー液の点検

まずはボンネットを開けることから始めます。必ずエンジンルームのどこかにウォッシャー液を噴射しているピクトグラムが描かれたキャップのついたタンクがあるはずです。

一部のキャブオーバー型のトラックやワンボックスの中にはダッシュボードにタンクがある場合もあります。

ウォッシャー液の残量はエンジンルーム内に余裕がありタンク全体が見えるクルマの場合はそのままタンクの目盛で確認できますが、タンク本体が目視できないクルマの場合はキャップにレベルゲージがあります。タンクの位置や確認方法は取り扱い説明書などで確認してください。

ウォッシャー液を選ぶ

ウォッシャー液は必ず専用のウォッシャー液を使用してください

たまに家庭用洗剤を使用して自作する方がいるという話を聞くことがありますが、家庭用洗剤は自動車の窓ガラスの洗浄に使用する事を想定していません。詰まりやポンプの破損の原因になります。また弱酸性等、洗剤の成分によっては塗装や金属部品に悪影響を及ぼす物が含まれている可能性もあります。

また、真水を入れるのも藻が発生したり、冬季に凍る等、ウォッシャータンクやポンプの破損の原因になります。

確かに家庭用洗剤をベースに自作したほうが安上がりですが、「自動車用」と銘打った洗浄液は各製造メーカーが自動車に使う前提であらゆる事態を想定してテストし問題がないことを確認して、「自動車に使用できます。」という保証を付けて販売しています。

勿論、自動車に使用して不具合が出ればメーカーのクレーム対応が受けられる可能性もあります。

常々書いておりますが、工賃や油脂類の金額には相応の意味があるのです。ウォッシャー液には大きく分けて二種類あります。

洗浄効果のみタイプ

ガラス面についた汚れや油膜や皮膜を取り除く機能のみのタイプ。

安価な汚れを落とすだけのスタンダードな物から、油膜取り効果のあるタイプ、高速走行や山岳走行の多い方向けには虫の死骸を洗浄する効果の持ったタイプ、さらに寒冷地用にマイナス数十度まで凍結しないタイプもありますが、ガラスコーティングをしているクルマに使用するとコーティングを剥がしてしまうこともあります。

撥水タイプ

洗浄、油膜取りに加え撥水効果の機能を持っているタイプ。

ガラスコーティングしていなくても一時的に撥水効果が得られたり、撥水コーティングしているガラスであればコーティングのトリートメント効果が得られたります。

当然撥水コーティング処理をしたガラスにはこのタイプのウォッシャー液を使用する事が必須です。

こういうものはついつい値段だけ見て判断してしまいがちですが、コーティング処理をしているクルマ等はコーティング処理対応であるかどうか、ご自分のクルマの使用環境に合った物を必ず確認して判断をしてください。

ウォッシャー液の交換・補充

昔は、グレード的には一番下の洗浄のみのウォッシャー液同士であれば銘柄違いのウォッシャー液を継ぎ足してもさして問題ありませんでした。

ただ、最近は各社のウォッシャー液が多機能化し、メーカーによって含有成分が違うため、洗浄タイプ、撥水タイプはもちろん、同じタイプ同士のウォッシャー液でもメーカー違いで混ぜたり継ぎ足したりすることは、変質の原因となりウォッシャー液が本来の性能を発揮できないばかりか化学反応による硬化による詰まりの原因になってしまいます

ですので、同じ銘柄のウォッシャー液を補充するか、タンク内のウォッシャーを使い切ってタンクとポンプ・ノズルを洗浄してしてから、違う銘柄・タイプのウォッシャー液を注入するように指示されています。

ウォッシャー液の抜き方

一番簡単な方法は、やはりウォッシャー液を空になるまで出し続けることでしょう。

空になるまで出し切ったら、もういちどタンクに真水を入れて空になるまで出し切って、タンクやホース内をゆすぎます。時間がかかる上に、あとでガラスにかかったウォッシャー液を掃除しなければならない等、手間はかかりますが一番わかりやすい方法だと思います。

ただし空になった状態でポンプを回し続けるとポンプを破損する恐れがありますので注意してください。

車種によってはホースを外してワイパーを立てた状態でウォッシャーを作動させっぱなしにしてタンクを空にするという方法もあります。

ガラスが乾いた状態でワイパーを作動させるとガラス表面に傷をつける可能性があるので、ワイパーの立て忘れには十分注意してください。

もう一つはタンクを外してしまい、そのままキャップからウォッシャー液を出してタンク内を洗浄してからもう一度取り付けて、あとはホースやポンプ内をゆすげる程度に水を入れて噴射すればOKです。

ただし、クルマによってはタンクが奥まったところに付いていて、タンク周辺を分解しないと外すのが難しい、ポンプやセンサーのカプラーやホースを外さなければいけないなど、ある程度DIYメカニックに慣れている人でないと難しい作業ですが、手早く確実に抜き取り作業ができます。

ウォッシャー液の注入・補充

最近は希釈せずそのまま使用可能なパッケージ物もあるようですが、基本は水で薄めます。

大体の製品がメーカーの指示で2倍~3倍くらいに薄めるように指定されていますが、冬季氷点下になる地域は冬の間は指定より濃いめか原液そのまま使用してください。

2倍に薄めると-8℃前後、原液で-20℃前後まで凍結を防ぐことが出来、寒冷地仕様に特化したものであれば-60℃前後まで凍結しないものもあります。

ちなみに筆者の自宅のクルマは先日ガラスコーティングをしたたため撥水タイプを使用します。

もちろん、薄める際はオイルジョッキなどで薄めから入れるのが一番確実ですが、直接ウォッシャータンクに原液を入れて目盛やレベルゲージを参考に薄めてもOKです。

目盛を見ながらボトルから直接原液を1L入れ、ちょうど手近なところにちょうどいい具合の(?)じょうろがあったのでじょうろで水を1L入れました。

ウォッシャーノズルの点検も

ウォッシャー液を気にしていても意外と見落としているのがウォッシャーノズルではないでしょうか?

いざウォッシャースイッチをオンにしてもウォッシャー液があさっての方向に飛んでしまいワイパーの払しょく面に全然当たらない。

それどころかフロントガラスを飛び越えてしまい後ろのクルマにウォッシャー液がかかってしまったり、ポンプは動いてるのに肝心のウォッシャー液が出てこない等・・・

その場合はウォッシャーノズルを点検してみましょう。実はウォッシャーノズルはウォッシャー液を噴射する方向を調整出来るようになっています

セダン型のクルマならボンネットにこんなフクロウの顔みたいな部品が付いていることに気づいた方もいるのではないでしょうか?

これがウォッシャーノズルなのですが、実はこの部品、フクロウの目みたいな部分がウォッシャー液の噴射口でこの部分が動くようになっていて、ウォッシャー液の噴射方向を調整できるようになっています。

調整方法は噴射口の穴に細い針状の物を入れて任意の方向に動かすだけです。ノズルに詰まりが発生した時は細い針金で穴の中を掃除して直す事が出来ます。

無事フロントガラスのワイパーの払しょく面にウォッシャー液がかかることを確認できれば作業は終了です。ただしキャップの閉め忘れには注意してください。

これからの時期雨の多くなる日に備えて、ウォッシャー液と合わせてワイパーゴムを見ておくのもいいかもしれません。

バッテリーの時にもお話ししましたが、こうした簡単な工具、あるいは工具無しでもできる点検をすることで、エンジンルーム内を常に見るように習慣づけておけば、ちょっとした違和感を感じて不具合に気づくようになります。

現代のクルマで機械的な修理までDIYでこなそうとするのは非常に困難なことですが、不具合の初期症状の時点で気が付けば、修理費用も安く抑えることが出来、結果リーズナブルに長く乗ることが出来ます。

これで慣れたら、エンジンオイルやプラグ交換等、もっと高度なDIYメンテナンスに挑戦していくのもいいでしょう。

それでは、すっきりした視界を確保して安全で快適なドライブをお楽しみください。

鈴木修一郎

愛知県名古屋市在住。自動車部品商、民間車検工場の陸送ドライバーを経て、念願の自動車ライターに。愛車は昭和44年型スバル360スーパーDX、昭和48年型トヨタセリカLB2000GT。スバル360は現在自宅軒先でDIYレストア中。DIYメカや整備工場関連の経験を活かしユーザーと整備の両面からの考察を心がけている。