ホイール塗装の基礎知識!誰でも簡単に格安で塗装する方法とは?

ドレスアップの定番アルミホイール

クルマのドレスアップでまず最初に思いつくのはアルミホイールの交換ではないでしょうか?

エアロパーツと違い、簡単に取付が出来、サイズやデザインも豊富で、基本は同一規格の汎用品なので、サイズと規格さえ合えばメーカー問わず使用可能です。

タイヤの交換時期についでにホイールも交換という方も多いでしょう。中にはホイールにタイヤを嵌めた状態で何セットかタイヤとホイールを保管して、気分によってホイールを換えているなんて言う人もいるのではないでしょうか?

そんな、ドレスアップパーツの定番のアルミホイールですが、経年変化で塗装がヤレてきた。デザインは気に入ってるけど色替えしてみたい、中古の格安ホイールを綺麗にしたいという方のために、ホイールの塗装の仕方についてお伝えしたいと思います。

塗装するならタイヤを外す

中古パーツ店やネットオークションで購入した中古ホイール単体であれば、当然タイヤを装着する前に作業することになりますが、現在使用中のホイールでも作業のしやすさ、仕上げの良さを考えると、最低でも車体からホイールを外して作業したほうが良いでしょう。

タイヤを外す際の注意点ですが、ジャッキを使う作業をするときは必ず舗装された水平な場所で行って下さい。

使用するジャッキですが即、代わりのタイヤ・ホイールに交換するのであれば備え付けのパンダグラフジャッキでもいいかもしれませんが、車体からタイヤを外した状態で塗装作業するのであれば、やはりフロアジャッキとジャッキスタンド(いわゆる「ウマジャッキ」)で確実に車体を支えてください。

パンダグラフジャッキのみで長時間、車体を支えるのはジャッキの転倒による車体の落下の危険性がありますので絶対にしないでください。

ジャッキをかける前に、4個ないし5個のホイールナットを対角線上に少しずつ緩めていきます

順番を誤るとハブボルトに無理がかかり歪めてしまう可能性があります。車種によってナットの数が違うので不安であれば備え付けの取扱説明書か、販売店で順番を確認してください。

ナットが手で回るくらいまで緩めたらナットを外さすジャッキをかけます。フロアジャッキを使用をする場合はフロアメンバーやサブフレームなど一番丈夫な場所にジャッキをかけます、オイルパンやフロア底面などにジャッキをかけると凹ませたり歪ませたり、車体を破損させる危険性があるので注意してください。

ジャッキで車体を持ち上げたらその次は、車体側の「ジャッキアップポイント」と呼ばれる箇所をジャッキスタンドの上に載せます。

フロアジャッキを降ろすときは一度に降ろさず、ジャッキスタンドとジャッキアップポイントの位置を確認しながらゆっくり降ろしてください。誤った場所にジャッキをかけてしまうと車体を破損させるだけでなく、車体の落下など重大な事故を招く可能性がありますので注意してください。

ジャッキアップポイントも備え付けの取り扱い説明書、または販売店でご確認ください。

車体をジャッキにかけたら、ナットを完全に外しタイヤを車体から外してください。この際にボディパネルの折り返しなど鋭利な部分で手を傷つけないよう注意してください。

外したホイールをクリーニング

ホイールに限らず塗装するときは必ず塗装の対象物をクリーニングし脱脂するのが基本です。

特にクルマのアルミホイールの場合、走行中の泥ハネやハブグリス、ブレーキダストがビッシリこびりついている上に、素材のアルミニウム合金自体が塗料が乗りにくいという性質を持っているため、きれいに仕上げるには「足付け」と「下地作り」と呼ばれる作業が重要になります。

タイヤが嵌った状態では難しいですが、中古品等でホイール単体の状態で色変えするのであれば、いっそ市販の剥離剤を使って古い塗装を剥がしてしまうのもいいかもしれません。

まずは、ホイールをしっかり洗浄するところから始めます。

ホイールの洗浄ですが、家庭用の洗剤よりもカー用品店などで売られている専用の洗剤を使うのが望ましいでしょう。ここでしっかりホイールの汚れや鉄粉を落とします。

ホイールを綺麗に洗浄したら、300~600番くらい耐水ペーパーで表面を砥ぎます

塗料の乗りをよくするには必須の作業です。無塗装状態、重ね塗り関係なくこの作業は行って下さい。塗装する表面を荒らすことで塗料の食いつきをよくすることが出来ます。

リム、スポーク、ハブ、隅々までまんべんなく耐水ペーパーをあてて表面を荒らします。表面の砥ぎの作業が終わったら削りカスを綺麗に掃除してください。

砥ぎカスの掃除が終わったら脱脂をします。たとえ少しでも油分が付いてしまうと塗料が食いつかず剥がれてしまう可能性があります。たとえ洗剤で洗った後でも、市販の無水アルコールやシリコンオフでしっかり脱脂してください。

塗装の仕上がりを左右する下地作り

「色替えはタイヤを外した状態で」という前提ですが、タイヤをはめた状態で塗装するのであれば、マスキングテープを使いタイヤに塗料がかからないようにしてください。

ホイール塗装 下地作り

下地塗装には「プラサフ」と呼ばれる専用の塗料を使います。プラサフには細かい傷を埋め、上塗り塗料の食いつきと地金や古い塗装を隠蔽し上塗りの塗装の発色をよくする効果があります。

プラサフには、主にグレーとホワイトがありますが明るい色にはホワイトプラサフ、メタリックや濃色系の色にはグレーを使うといいでしょう。

塗装する時は、天気が良くて湿度が低く、埃の立ちにくい風の無い日を選びます。作業時は汚れても良い服で、塗料を吸い込んでしまわないようマスク等を着用することを推奨します。

スプレー塗料は思った以上に飛沫が周囲に飛ぶのでホイールの周りに塗料が付かないように新聞紙などで養生してください。新聞紙を敷いた際は風に煽られて塗装目に付かないようしっかり固定してください。段ボール箱などで囲って簡易塗装ブースみたいにするのも良いでしょう。

塗装時はスプレー缶をよく振り、缶の中の塗料を攪拌します。ホイールからは15~25cmほど離した状態、塗料を噴射し、ゆっくり一定の方向と速さで並行に移動させながら吹き付けます。

一度に厚めに吹くとムラやタレの原因になるので、10分ほど間隔を空け、全体がプラサフの色になるまで薄く重ね塗りをします。

プラサフの吹付が終わったら30~60分ほど乾燥させてから600~1000番の耐水ペーパーでプラサフ表面を研ぎます。あまり強く砥ぎすぎると地金が出てしまうので表面が滑らかになる程度に砥いでください。

ちなみに、スプレー塗装の裏技的な話で、「風呂場で塗装する」という方法があるそうです。

無風状態で埃が少ないため、水を張ってない湿度の低い状態の風呂場はスプレー塗装するには理想的な環境なんだそうです。

ただし、有機溶剤の中毒症状が出ないよう換気には注意してください。また塗料に含まれる有機溶剤は引火性が高いため火気厳禁です。作業中や乾燥中の塗料の近くでタバコを吸うと言った行為は火災の危険性があります絶対にしないでください。

また、極端な例ですがあるクラシックカー専門店の社長の話では、工期が1年単位のフルレストアの場合、プラサフを吹いてから一カ月以上乾燥させてから砥ぐとプラサフがカチコチに硬化して綺麗に仕上がるとのことだそうです。

模型愛好者でもプラモの塗装はプラサフを吹いたら最低丸一日、こだわる人では1週間乾燥させてプラサフ塗料を硬化させてから砥がないと綺麗に仕上がらないと言います。

ホイール塗装でもプラサフを吹いたら最低でも1~2日置いて完全に溶剤も抜けて塗料を硬化させてから砥いだ方が綺麗に仕上がります。

いよいよ上塗り

下地が出来たらいよいよ上塗りです。

ホイールの塗装ですが必ず自動車用の塗料を使って下さい。家庭用の塗料は耐久性が低く薬品の攻撃性にも弱いため、常に風雨にさらされ、時にはエンジンオイルやガソリンに触れる事のある自動車の塗装には使用できません。

特にホイールは高速回転しながらブレーキローターやタイヤの摩擦熱さらされ、飛び石が当たるので、自動車用塗料でも「ホイール専用」の塗料を使用する事をお勧めします。(メーカーによってはホイール専用塗料で下地処理無しで塗装可能を謳っている物もあるようです)

上塗りの塗装は、そのまま見た目の仕上がりになり誤魔化しが効かないので、プラサフ以上に慎重に塗ってください。

基本動作はプラサフと同じです。

天気のいい湿度の低い(湿度が高いと塗装面が曇って艶が出ない「カブり」という現象が発生します)、風の少ない日に、15~25cm離して、ゆっくり一定の速度でムラにならないよう平行移動させながら、薄く重ね塗りをします。

メーカーによると1本で4本は塗装可能という事だそうですが、ホイール一本塗るのに丸ごと一本使いきるくらいのつもりで作業するくらいがいいかもしれません。

特にメタリックはちょっとでも厚塗りをすると粒子が流れてムラが目立ってしまうので、とにかく薄塗りを心がけてください。

スプレー塗装で綺麗に仕上げる際は、噴射の圧が落ちると粒子が飛ばなくなったり粗くなるため最後まで使い切らず圧が弱くなったなと感じたら、新しいスプレーを使うほうがより確実に綺麗に仕上げることができます。

中には塗料の残量(重さ)が半分くらいになったら使うのを止めるという人もいるようです。

また、「圧を上げる方法」としてスプレー缶を温めるという方法もあります。一番簡単な方法として缶に使い捨てカイロを巻き付けるという物がありますが、上級者になると湯煎に浸けて缶を温める人もいます。

特に冬場は缶が冷えると圧も下がりやすくなるので、缶を温めるという方法が有効なのですが、スプレー缶の注意書きに「40℃以上になる場所に置かない事」と書いてあるように、熱で圧が高くなりすぎると今度は缶が破裂する危険性があります。

スプレー缶を温める際は細心の注意を払って下さい。

メタリック塗装やヌメっとした艶が好みの方は、仕上げにクリアコートを吹いてください。吹き方はプラサフや上塗り塗料と同じ、15~25cm離した所から一定の速度でゆっくり平行移動させながら薄く重ね塗りをします。

ここで失敗をしたら今までの努力が全て台無しになってしまうので特に慎重に作業してください。

吹付が全て終わったら乾燥させます。

指紋が残ってしまうので塗装面が乾燥するまで絶対に触らないでください。乾燥時間は最低でも5~6時間、完全硬化までは最低24時間は見たほうが良いでしょう。実際に使用する、タイヤを嵌めるまでは2~3日置いたほうがいいかもしれません。

艶ありで塗装した場合は、最後の仕上げにコンパウンドで磨くのもいいでしょう。

コンパウンドは小さい番手から順番に数字を上げていきます。3000番で磨けば多少の表面の粗も消せることが出来ますが、エッジ部分は塗膜が薄いため磨きすぎると地金が出てしまうこともあるので注意してください。

ある程度慣れてきたら、マスキングテープを使い、色を塗り分けて自分の好みのデザインにカスタマイズというのも悪くないかもしれません。

一つ、一つの作業自体は難しいことではないので、短時間で終わらせようとせず、一つの工程を時間をかけて作業するのがDIYカスタムのコツです。初めのうちは週末に一日ずつ一つの工程を作業して、次の週に次の工程にかかるくらいの気長さでもいいと思います。

それではDIYカスタムで楽しいカーライフをお過ごしください。

鈴木修一郎

愛知県名古屋市在住。自動車部品商、民間車検工場の陸送ドライバーを経て、念願の自動車ライターに。愛車は昭和44年型スバル360スーパーDX、昭和48年型トヨタセリカLB2000GT。スバル360は現在自宅軒先でDIYレストア中。DIYメカや整備工場関連の経験を活かしユーザーと整備の両面からの考察を心がけている。