残クレとディーラーローンのメリット・デメリットを元日産営業マンが徹底解説!

新車を買うとき、現金一括払いで買う人もいればいわゆるローンで買う人もいます。

私が日産の営業マンのころは現金とローンの割合は半々といったところでした。一言でローンといっても、残価設定型クレジット(残クレ)のような買い方も出てきたりと多様化してきています。

今回は、一般的なディーラーローンと残クレの仕組み、そのメリットとデメリットを解説していきます。

ディーラーローンの仕組みとメリット・デメリット

まずは、一般的なディーラーローンについての解説です。

ディーラーローンってそもそも何なのか、というところから始まりますが、トヨタ車であればトヨタファイナンス、日産車であれば日産フィナンシャルから車両の購入資金を借りて車を購入する方法です。申し込みの窓口は、新車を購入する販売店になります。

支払い方はごく一般的な方法です。たとえば総額400万円の車を全額ローンで購入する場合に支払期間(何年払いか)を決めて、均等払いかボーナス併用払いかを選択し、発生した金利を含む総額を元利均等払いで支払うというものです。

ディーラーローンのメリット

このディーラーローンの最大のメリットは、購入する販売店での申し込みができる、という点です。

もし購入資金を銀行などの金融機関で借りるとしたら、最低でも1週間程度の時間と2回の訪問が必要になります。

なぜそんなに行かなければならないかというと、見積書の提出と借りたい金額を提示して審査申し込みをし、審査が通ったら必要書類の記入と提出が必要となります。その際に住民票や源泉徴収票の提出を求められる場合があります。

しかも金融機関の窓口は平日の午前9時から午後3時までしか営業していないので、土日が休みの方は行くことが難しいです。

その点、ディーラーであれば定休日以外だったらローンの申し込みが出来るので時間の確保が簡単です。

しかもディーラーローンの申し込みは非常に簡単で、審査申し込み用紙兼借り入れ申し込み書に必要最低限の事項(氏名や年齢、住所、勤務先、年収など)の記入で終わりです。

源泉徴収票の提出も必要ありません。極端な話ですが、ちょっと高額な車を買うときに審査が通るか不安な年収の場合、記入する年収を少し水増しして申し込むことも出来ます(ローンに通らないと販売できないので、実際にそのようにしてローンを通そうとする営業マンもいたりします)。

住民票等の公的書類は、車両を購入する際に提出するので必要ありません。

また、ディーラーローンは金融機関系ローンよりも審査が通りやすいというメリットもあります。それは何故かというと、ディーラーローンの場合は「購入する新車を担保にする」ので、もし仮に支払いが滞った場合はその車を差し押さえることができるため、です。

それに加え、金融機関系ローンよりも借り入れ金利が高めに設定されているため審査が通りやすいのもポイントです。

ディーラーローンのデメリット

逆にデメリットは何かというと、まず挙げられるのが「金利の高さ」です。

金利が高い=総支払い額が高くなることは皆さんもご存じかと思います。借入金額によりますが金利が1%高くなるだけでトータルで何万円も変わります。ちょっとしたオプション代が捻出できますよね。

それ以外にも、車を担保として借り入れをするので車検証の所有者欄に購入先の販売会社の名前が記載され、使用者欄に購入者の名前が記載されます。これを「所有権留保」といいます。

もちろん車両代金の支払いが終われば「所有権解除」といった手続きをして、所有者欄の名前を購入者名義に変えることが出来るのでご安心ください。

とにかく時間が無いから多少金利が高くても、車検証の記載欄に販売会社の名前が入ってても気にしない、という方はこの支払方法がいいと思いますね。私の経験上、ローンで販売した九割のお客様がディーラーローンを利用されていました。

すべての手続きが車を買う担当営業マンで終わらせられる、というのが最大の点でしたね。

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残価型クレジット(残クレ)のメリットとデメリット

次は残価型クレジットの説明です。

よくCM等で「残価型クレジットなら低金利」と宣伝されていますよね。下手すると金融機関で借りるよりも金利が安かったりする場合も多々あります。これには様々なカラクリがありますので、紹介していきたいと思います。

残価型クレジット(残クレ)の仕組み

まずは残価型クレジットって何?という方もいらっしゃると思うので、そこの説明から行っていきます。

通常の分割払いだと前述したように車両購入価格の総額を支払期間で分割して支払う、というものです。根本的にはこの仕組みは変わりませんが、様々な制約があります。

まずは支払い回数が36回・48回・60回の3パターンしか選択できないという点があります。

この理由として、各支払い期間によって購入する価格の将来的な価値を残存価値(=残価)として設定するためです。これは、クレジット会社があらかじめ設定します。

この設定された残価を「分割支払いの最終回に据え置く」ことで月々の支払いを安くすることが出来る点が、この買い方の最大の特徴です。

そのときは、傷や凹みは超えた分の修理費を払ったり自分で修理して返却する事で無事に返すことが出来るので心配はありません。

残価型クレジット(残クレ)のメリット

月々の支払金額が抑えられる

これがこの買い方の最大のメリットです。このカラクリを簡単に説明します。

車両本体価格が300万円の車があるとします。この車の予想される5年後の中古車としての価値が100万円あると予想して残価を設定します。

この100万円を60回払いの60回目に充てて、差し引いた200万円を59回に分割して支払う、というのが簡単な残クレの仕組みです。

300万円を60分割するよりも、200万円を59分割した方が安くなりますよね?でも最後の1回の支払いが高額になってしまうけどどうするの?と疑問に思うと思います。

これについては次の項目で説明しますね。

最終回支払い時に3つの選択からチョイスできる

ここで次のメリットです。最後に残されたこの大きな支払いは、以下のの3パターンから選択することができます。

  • 一括払いまたは再度分割払いして乗り続ける
  • 車両を返却することで最後の支払いとして、新しい車に乗り換える
  • 乗り換えせずに返却して終了

ライフスタイルが変わって車が必要なくなった場合や、新しい車が欲しくなった場合、残金を支払わなくても良いというのは非常にうれしいですね。

返却時に査定額が残価を下回っても差額を支払う必要がない

あとよく聞くのが「設定された残価より実際の査定額が下回った場合の支払いはどうするのか?」という質問です。

もし残価を下回ってしまった場合、返却時に差額を支払う必要はありません。これはクレジット会社が「買い取り保証額」としてユーザーに負担をかけないようにしてあるためです。

もし残価よりも実際の査定額が上回った場合は差額がユーザーに還元されます。このパターンはあまり聞かないですが、返却時の市場状況によって変わるので可能性がゼロという訳ではありません。

ライフスタイルによって様々な恩恵がある

前述しましたが、この買い方は残価によって月々の支払額が抑えられるのが特徴です。

定期的(例えば車検ごと)に車を買い換える人にとって最適ですし、通常クレジットでは高額な支払いになってしまうため買えなかった1ランク上の車に予算内で乗ることだって出来ます。さらに、家族構成の変化によって一定期間(5年間など)ミニバン等の特定の車に乗らなければならない場合にも返却できたりするので最適です。

残価型クレジット(残クレ)のデメリット

走行距離の制約がある

この買い方は走行距離設定があります。

日産の場合だと、契約時に月1000km(5年だと6万km)月1500km(5年だと9万km)が設定されます。

通勤で毎日往復50km走る人はそれだけで月に1000km。休日にレジャー等で使ったらあっという間に制限距離に到達してしまいますよね。

通勤で使っていなくても休日に頻繁に中長距離を乗る場合にも距離制限に引っかかってしまう場合があります。こういった方には正直オススメ出来ない買い方になってしまいます。ですが、規定距離を越えてしまった場合、超えた分の追徴金を1kmあたり○○円(車種によって金額が異なる場合があります)を支払うことで返却することが出来ます。

規定以上の傷や凹みがあったり修復歴があると返却できない

この買い方は、返却時に車がきれいな状態でなければ返却できなくなります。

傷や凹みがある場合「合計で10万円以内の傷や凹み」であれば返却可能の規定となっています。A4サイズくらいの傷や凹みであれば3カ所まで、あるいはクレジットカードサイズであれば10カ所までであればOKです。

A4サイズの傷が1カ所3点、クレジットカードサイズの傷が1カ所1点、合計10点までであればOKと覚えておきましょう。

規定を越えた傷は修理をすれば問題ありません。さらに事故によるボディ修復歴があると無条件で返却が出来なくなります。これはいくら自分が気をつけていても事故に巻き込まれたりする危険性がゼロではありませんよね。

相手に過失があって修理費は出してもらえたとしても事故修復による保証が100%受けられる保証があるわけではありません。

フレーム修復してしまったら返却できなくなってしまうので、差額が自己負担となってしまいます。これに関しては不可抗力なので何とも言えませんが、残クレにおける最終回支払い時のリスクとなるのでデメリットと言えます。

最終回支払い時に買い取りを選択すると損をする

購入した車が気に入った場合、最終支払い時に一括あるいは分割で買い取りをするかと思います。しかしそのときは金利を含めた総支払額が通常ローンより高くなる可能性が出てきます。

これは私自身の経験になるのですが、5年満了の残クレで車を買ったお客様が再度分割払い(2年)で買い取りをした際に総支払額が10万円ほど高くなりました。

この支払方法は「乗り換える前提で買うのであればお得だが買い取る前提でローンを組むと損をする」という点に気を付けなければなりません。

残価型クレジット(残クレ)を使用した時の裏技

ここで残価型クレジット(残クレ)の裏技を紹介します。

最終回の支払いの時にガリバーなどの中古車査定業者に査定をしてもらってください。

そのときに「残クレで買っている。残価が○○○万円残っている。これを上回るならそちらに売る。下回ったらディーラーに返却する」と言って交渉してみてください。

もしかしたら車種にもよりますが残価を大幅に上回る価格で買い取ってもらえるかもしれません。上回って利益になった分は次の車の購入資金に充てられたりお小遣いに出来たりするのでオススメですよ。

まとめ

ディーラーローンと残クレの仕組みとメリットとデメリットの説明をしましたが、どちらも一長一短あるということは覚えておかなければなりません。

特に残クレにおいては様々な制約があるため得する人と損をする人が分かれてしまいますので、じっくりと比較検討をして自身に合った購入方を選択するようにしましょう。

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