車のヘッドライトの黄ばみ・くすみを取る方法

自動車のヘッドライトと言えば丸か真四角のガラスレンズだったのはもうはるか昔、車種ごとの専用設計の樹脂製の異形レンズになって久しいですが、樹脂レンズの致命的な欠点として経年変化があります。

硬度も高く経年変化に強いガラスであれば最低でも100年は持つと聞いたことがありますが、樹脂レンズでは表面の細かいキズや紫外線による黄変は避けようがありません。

樹脂レンズヘッドライトの黄変は見た目が悪くなるだけでなく、光量が不足したり、光軸が散ったりで、夜間の視認性が悪くなるばかりか車検にも通らなくなる可能性もあります。そこで今回はヘッドライトのクリーンナップについてお話ししようと思います。

ヘッドライトはいつも綺麗に

ヘッドライトがなんか前より暗くなってきたなと感じたら、バルブを高効率タイプに交換する、それともLEDやいっそHIDに・・・と考えてしまうかもしれませんが、一度ヘッドライトのレンズを見てみましょう。

汚れていたり、ヘッドライトのレンズ自体が黄ばんだりくすんだりしていませんか?以前、ウォッシャー液の記事でフロントガラスは良好な視界を確保する為、常に清潔に保たなければならないという記事をお送りしましたが、それはヘッドライトも同じです。

夜間の良好な視認性を確保するにはフロントガラス同様、ヘッドライトのレンズも常に清潔にしておかなければばりません。

旧型のガラスレンズのヘッドライトであれば普通に水洗いしてフロントガラスと同様ガラスコーティングをかけておけばよかったのですが、現在の樹脂レンズはいくら綺麗に掃除をしていても小傷や黄変を食い止めることは出来ません。

実際にレンズが黄変してしまったK12型マーチのヘッドライト、ポジションランプ周りが見てわかるくらい黄色くなり、リフレクターの見え方もボンヤリしてレンズに写りこんだ蛍光灯の周囲に曇りが浮き上がって見えるのがわかります。

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昔はどうする事も出来なかった樹脂レンズヘッドライトの黄変

筆者の記憶では2000年代に入って直ぐのころは樹脂レンズの黄変は半ばあきらめてそのままにしている人が多かったように記憶しています。

しかし、当時普及し始めたインターネットの個人サイトで紹介されているクルマのメンテ方法の中には「自己責任で」という但し書きでしたが黄変したレンズのメンテ方法が紹介されているのを散見することもあり、一番過激なものは「樹脂レンズをラッカーシンナーで洗って劣化した表面を溶かしてぬぐい取ってしまうというのがありましたが、最終的には

ヘッドライトの周りをマスキングしてボディを養生する
400番の耐水ペーパーで水研ぎする
この時、磨き傷で真っ白になるが気にせずレンズ全体を研磨
800番の耐水ペーパーで研ぐ
表面の黄変した樹脂の削りカスが出なくなって、レンズが白い磨りガラスみたいになったら800番の耐水ペーパーでレンズ全体を研ぎます
耐水ペーパーの番手を上げて曇りを取る
1000番、1500番、2000番と耐水ペーパーの番手を上げていけば次第に曇りも取れていきます。この時のコツはすぐに番手を上げようとせず、最低でも番手を上げるときは2倍以内のペーパーで曇りを取るように研いでいきます。
仕上げ
最期は各社のコンパウンド粗目・細目・極細を順番に使って、時にはポリッシャーという機械を使いながら、鏡面仕上げをしてレンズを復活。

この方法に落ち着いていったと記憶しています。

しかし、表面を研いだだけではまたすぐに黄変してしますので、仕上げにクリアー塗料を吹いたりハードコーティングをかけたりといった事をしていたのですが、2010年頃になると専用の研磨剤とコーティング剤をセットにしたキットが業務用として1~2万円で出回るようになります。この頃になるとプロのカーケアではヘッドライトの研磨はお約束のメニューとなっていたのですが・・・

DIYで研磨とコーティングが同時に可能

なんと今は研磨とコーティングが同時にできる、カーケアグッズが1000円前後で買えるというから10年前を思うと便利なものです。

まずは、カーワックスの老舗「シュアラスター」の「ゼロシリーズ」の「ゼロ・リバイブ」を例にとってヘッドライトの黄ばみ取の説明をしたいと思います。

まずは、ヘッドライト周りを洗い砂や埃を取り除きます。

砂が残っていると砂を噛んで余計に大きな傷を作ってしまうので注意してください。クリーナーとはいっても研磨剤です。

ボディに付着すると多少なりとも塗膜表面を削ってしまうのでヘッドライト周りをマスキングテープやビニールシートなどで養生します。マスキングの手間を減らすためにいっそボンネットを開けてしまうのも良いでしょう。

むしろヘッドライトがボンネットの開口部に面しているのであれば、いっそボンネットを開けてしまっても構いません。

養生が出来たら、付属のウェスにクリーナー液を付け、ヘッドライトレンズを磨きます。磨くときのコツはもちろん縦と横の一方向に動かし交互に磨いていきます。研磨はコツはとにかく力を入れて丹念に磨くことです。

初めての方は力いっぱいプラスチックのレンズにウエスを押し付けるのに不安を感じるかもしれませんが、普通の人が手で押したくらいでレンズが割れるという事はまずありません。

もし割れたとすれば、既に致命的な破損があってどちらにせよ、部品交換が必要だったと考えるべきでしょう。

基本は拭き掃除と同じ、縦横一方向に出鱈目な動きの拭き方ではかえって時間がかかります。ヘッドライトのレンズは人の力で押した程度では割れないので、しっかりウェスを押し付けてください。

このウェスの黄色は、クリーナーの色ではありません。クリーナー液自体は乳白色なのですが黄変したレンズを磨いたことで黄色くなった物です。つまり黄色くなった樹脂製ヘッドライトレンズの削りカスがこれだけ発生しているということです。

ある程度磨いて黄ばみが薄れてくると慣れない人は、細かいクラックやキズが現れて驚く方も中にはいるかもしれません。

「もしかしてクリーニングに失敗した!?」と思われるかもしれませんが、この程度のクラックは経年変化によるもので致し方ありません。また飛び石傷がついている事もあります。

黄ばんでいるときはわからなかったクラックや、クリーナー程度では消えない傷が黄ばみがなくなったことで目立つケースもありますの注意してください。

またこういったクラックや内側からの黄ばみは、除去・補修することは出来ないのでご了承願います。

レンズを磨いたら細かいクラックやキズが現れて驚く方もいるかもしれませんが、黄変で隠れていた長年のダメージが表に出てきただけで、磨いておかしくなったというわけではありません。またレンズ内部の黄変やクラックはライトユニットを交換するしかありません。

クリーナーで磨く、クリーナーを乾拭きでふき取るを全体の黄ばみがなくなるまで繰り返します。

黄ばみが完全になくなり、ツヤが復活したら作業完了です。この通り、ヘッドライトのレンズには蛍光灯やスマホでヘッドライトを撮ってる筆者の姿まで写りこんでいるのがお分かりいただけると思います。

筆者のスマホの「TRD」のステッカーが写りこんでいます。(苦笑)経年変化の表面の荒れこそ残っていますが、施工前と打って変わって蛍光灯の周りの曇りも消え、リフレクターの見え方もバリっとしてますね。

まだ施工していない左のヘッドライトレンズと比べると違いが分かっていただけると思います。

このマーチの場合、慣れた方が作業したので片方で約10分ほど、準備と後片付けを入れるて両方磨き終えるのに約30分弱でしたが、慣れない方や力の弱い女性ですと1時間くらいはかかるかもしれません

プロの場合、磨きのみ左右3000円、磨きとコーティング(1年持続)で左右5000円からだそうです。

ヘッドライトの形状によってはこれ以上かかる場合もある物と思われます。使っている道具や研磨剤、コーティング剤もプロ用の物でしょうから、高いか安いかの判断は読者の皆様にお任せします。

左が施工後のヘッドライトレンズ、右が未施工のヘッドライトレンズ、違いは一目瞭然ですね。

このマーチは元々洗車済みだったので磨き作業だけで、この後コーヒーブレイクを挟んで左のライトレンズを磨き終えるまでおよそ30分、クリーナー自体は500~1000円ですが、手間や労力を考えると、プロに頼んで3000~5000円で施工可能なのが安いか高いかは皆様の判断にお任せします。

どの位の頻度で磨けばいいのか?

実は今回、ヘッドライトのクリーニングを記事にするにあたって一番難しいテーマがこれだったりします。なぜかというと、黄変の進行具合は使用環境や車種によってまちまちなのです。

もちろん、屋内車庫保管や直射日光の当たりにくい場所に停めておく時間の長い人は、黄変の進行も遅くなるのは当然なのですが、それだけが原因ではありません。

セダンやトールワゴン、ワンボックス、ミニバンのようにヘッドライトのレンズが垂直に近い状態のクルマは黄変の進行が遅く、スポーツカーやコンパクトカーのようにボンネットがスラントしていてヘッドライトレンズが平べったいと直射日光を受けやすく黄変が進みやすいという傾向があるようです。

また、年式(製造された時期の景気動向によって材質にコストがかけられていたりコストカットされていたりします。)や高級車、量販車によってレンズの材質や構造で黄変やクラックが発生しやすい、しにくいがあるようで、当然ですが価格帯が上のクルマになるほど、黄変は発生しにくい傾向があるようです。

ヘッドライトの黄変に関しては旧車好きの筆者の愛車の水洗いして拭くだけで綺麗になるガラスレンズが羨ましがれるなんてこともあるくらいです。

ヘッドライトの光量に影響が出るほど黄変が発生してから磨くのも大変だとは思います。

タイミングとしては、レンズに光沢がまだ残りつつも、うっすらと黄色がかってきたかな?くらいでヘッドライトクリーナーを使うと、何十分も力を入れてゴシゴシ擦り続ける作業をしなくて綺麗になるようです。

前述の通り黄変の進行はクルマや使用環境によって変わるので洗車の時にヘッドライトを意識して見るようにすると良いかもしれません。やはり、こまめに愛車を意識して見るというのが一番リーズナブルにクルマを維持する秘訣なのかもしれません。それでは快適なカーライフを。

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鈴木修一郎

愛知県名古屋市在住。自動車部品商、民間車検工場の陸送ドライバーを経て、念願の自動車ライターに。愛車は昭和44年型スバル360スーパーDX、昭和48年型トヨタセリカLB2000GT。スバル360は現在自宅軒先でDIYレストア中。DIYメカや整備工場関連の経験を活かしユーザーと整備の両面からの考察を心がけている。