ETCとETC2.0の違いとメリットについて

ETCサービスが始まり気が付けば20年近く経とうとしています。

今やほとんどの高速道路利用者がETCサービスを利用し、逆に一般レーンが空いていたので、車載器からカードを抜てい徴収員に手渡したほうが待たずに済んだなんてこともあるくらいですが、最近はETCサービスをより高度化したETC2.0というサービスを耳にするようになりました。

今回はそのETC2.0についてお話ししようと思います。

ETCとは

ETC(Electronic Toll Collection System・自動料金支払いシステム)というシステムはITS(Intelligent Transport Systems・高度道路交通システム)と呼ばれるIT技術を使用した交通関係の輸送効率や快適性の向上を目的としたシステムの一環として始まったサービスです。

高速道路の料金収受を自動化し渋滞緩和への対策の一つとして1999年に一般財団法人道路システム高度化推進機構(ORSE)が設立されETCシステムの研究を開発を開始し、2001年11月30日から一般利用が開始されます。

2014年には一般社団法人ITSサービス推進機構と合併し一般財団法人ITSサービス高度化機構(ITS-TEA)となります。

現在高速道路を利用するクルマの90%以上がETC車載器を搭載しているといわれ、またETCは日本だけでなく世界各国の高速道路の有料区間で同様のシステムが導入されています。

ちなみにITSの概念は高速道路の料金収受システムだけでなく、カーナビゲーションシステムの渋滞回避システムや今話題の運転支援システム、公共交通機関のリアルタイムの運行状況提供等多岐にわたり、鉄道のICカードもITSに含まれます。

今回お話するETC2.0は料金収受だけでなく、道路状況の様々な情報サービスを提供しより高度なシステムとしたものです。

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ETCで受けられるサービス

ETCは料金収受を自動化するためのシステムですが、現金手渡しと違い、特定区間割引や時間帯割引、日曜祝日割引等、走行する区間や日時によって料金が割引になる特典があります。

また、最近では高速道路各社で適用期間や対象エリアを限定したETC限定企画割引というサービスも展開しています。

事前申し込みで観光エリアの乗り放題プランや、観光・レジャー施設の割引サービス、宿泊お土産特待などの特典も用意してるとのことで、詳しくは各高速道路公社のWebでご確認ください。

ただしあくまでも、ETC割引は車載器が搭載されている車両にのみ適用されるので、ETC車載器の無い車両でETCカードを手渡しで利用しても割引の対象にならないの注意してください。

他にも、ETCマイレージサービスというものがあります。

高速道路の通行料金の支払額に応じてポイントがたまり、そのポイントを通行料金として還元するサービスで、ETCカードとセットアップ済のETC車載器を用意し、ETCカード番号、車載器管理番号、車両番号をマイレージサービスに登録することで還元サービスを受けることが出来ます。

また、ETC利用照会サービスを利用することで高速道路の利用明細も簡単にチェックする事が可能で、経営者や自営業者の方には運行管理や経費の管理には便利かと思います。

他にも高速道路利用時のETCのみのサービスとして「スマートIC」を利用することが可能になり、スマートICの設置されているサービスエリア・パーキングエリアから直接一般道に降りたり、本線上で「ETC専用」という表記のある出口から一般道に降りることが出来るようになります。

ただし、こちらのサービスは対象車種に制限があったり、通常のETCゲートと違い、ゲート前でクルマを停止させてから通信するため、ノンストップ通過が出来ないのでご注意ください。

ETC2.0とは?

高速道路上で、オービスともNシステムとも違うセンサーのようなものが本線上やIC上に設置されているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

昔は渋滞情報といえば、1620kHzのAMラジオを使った交通情報がお馴染みでしたが、1990年代に入るとカーナビが普及し、光ビーコンやFM多重電波を使用しVICS対応カーナビと連動した交通情報サービスが提供されるようになります。

そして2011年よりETC2.0の前身となるITSスポットサービスが開始されます。

これはDSRCと呼ばれる通信方式を使い、DSRC通信対応のETC車載器を搭載したクルマと路側上の前述の通信アンテナ「ITSスポット」の間で相互通信し、通行料金収受の自動化に加えて渋滞情報や安全運転支援、災害支援情報をリアルタイムでドライバーに提供するサービスです

2014年10月からは交通情報に加えて、経路情報を活用したサービスや民間サービスの提供も加わりETC2.0となりました。

ETC2.0で受けられる情報サービスは?

まずは、お馴染みの渋滞情報でしょう。

VICSやFM多重では広域の渋滞情報が得られず、渋滞が発生してからの情報を流すためタイムラグが生じてしまいます。

ですので、渋滞の情報が反映される頃には渋滞が解消していたりするなど、交通状況の変化に情報が付いていかず、渋滞情報の出ていないルートを通過するタイミングになってから渋滞が発生してしまうという欠点がありました。

しかし、全国の高速道路1600か所に備えられたITSスポットをETC2.0対応車載器を搭載したクルマが通過する際に双方向通信で、リアルタイムに変化する交通情報をITSスポットと車載器間でやりとりし、ETC2.0と連動したカーナビ上に渋滞を避けるルートを表示し、より的確な渋滞回避が可能になります

また今後、ETC2.0セットアップした車載機を搭載した車両で空いているルートを選択した場合、料金優遇するサービスの導入も予定されているようです。

但し、このサービスを受けるには走行経路情報の提供が必要なため2015年6月以前にDSRCセットアップした車載器はETC2.0セットアップで再セットアップする必要があるとのことです。

また最近は、よく「安全運転支援」「予防安全」という言葉を耳にする機会も多い事かと思います。

今後実用化が期待されている自動運転システムへの過渡的技術として知られる「急に車間が詰まったり、車線から外れると警告音が鳴る装置」や「緊急回避でブレーキやハンドル操作を補助する装置」があります。

そして「予防安全」の一環としてETC2.0ではリアルタイムの渋滞情報や天候による路面情報をカーナビに提供し、急カーブの先の事故や落下物、渋滞発生の情報を絵と音声で注意喚起したり、これから向かう先で降雪や霧が発生していた場合は道路の様子を静止画像で確認するといったことが可能になります。

また、地震などの災害の発生時にETC2.0搭載車の各車両の情報を統合し通行実績を反映し情報提供を行なうといったことも可能です。

具体的には、通行障害の発生や構造物への影響を把握し迂回ルートや救援ルート計画を立案、もしくは現在走行中のルートの先で通行止めの処置がとられている場合はハザードランプを点灯して路肩への停車を促すなどの情報提供がそうです。

ETC2.0のサービスを受けるためには?

まず、ETC2.0対応のETC車載器は当然ですが、ETC2.0対応のカーナビが必須です

またカーナビがなくても機種によってはスマートフォンのナビアプリでもETC2.0対応の物があります。また、ETC2.0対応のカーナビ、スマートフォンがなくても車載器単体の音声ガイドの発話で情報提供するタイプのETC車載器も存在します。

詳細はお手持ちのカーナビ、もしくはスマートフォンをご確認ください。

ETCとETC2.0どちらがメリットが大きいの?

最近はカーナビもスマートフォンもどちらも持っていないというドライバーの方は少ないとは思います。

たまに高速道路を使う程度であれば従来型のETCを現時点で使用していて、今すぐETC2.0に買い替えなければならないというほどのメリットがあるのかというとそれほどメリットがあるとは言い難いかもしれません。

通行料金の支払い、通行料金の割引きにおいては現時点では従来型のETCでも利便性は十分と言えるでしょう。

また、セットアップを含めて1万円前後から購入可能な旧来型ETCに対し、価格的にもETC2.0は端末が高価で3万円近くかかるという点で初期投資の面では非常に不利かもいしれません。

しかし、ほとんど日常的に高速道路を使う、頻繁に高速道路を使って長距離移動をすることが多いという方は、ETC2.0の導入も一考の余地があるかもしれません。

また今後、ETC2.0の情報提供サービスがより充実していく可能性や、渋滞回避ルートの選択次第で割引率が変わってくるという点を考えると、今後新規にカーナビとETC車載器を購入するもしくは新車を購入するのであればETC2.0の車載器とETC2.0対応カーナビを買っておいても損は無いかもしれません。

高速道路の料金収受の利便性という点においてはETCもETC2.0も大差ないでしょう。

ただ、高度化する道路情報の提供サービスが拡充されることを考えると、代替機種の候補としてETC2.0という選択肢を入れるの最良の判断かもしれません。

ETC2.0はナビがないと意味がないという意見を耳にすることもありますが、一部のスマホナビアプリでも連動可能な物もあるのでそうもと言い切れないようです。

とはいえまだまだETC2.0対応のナビアプリは少数ですが、将来的にはどうなるかはまだわかりません。

今すぐETC2.0に乗り換えというほどの物ではないですが、将来的にETC2.0に乗り換えを視野に入れるというのが現状では妥当かもしれません。

それでは、今回も皆さまご自分の用途、使用環境に合わせてETCやナビを吟味して快適なカーライフをお過ごしください。

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鈴木修一郎

愛知県名古屋市在住。自動車部品商、民間車検工場の陸送ドライバーを経て、念願の自動車ライターに。愛車は昭和44年型スバル360スーパーDX、昭和48年型トヨタセリカLB2000GT。スバル360は現在自宅軒先でDIYレストア中。DIYメカや整備工場関連の経験を活かしユーザーと整備の両面からの考察を心がけている。